-006- 水木しげるのラバウル戦記

水木しげるのラバウル戦記 (ちくま文庫)

水木しげるのラバウル戦記 (ちくま文庫)

 戦記と言っているが、戦闘に関する記述がほとんどない。自らの左腕を失う場面もサラッと描かれている。
 むしろ水木氏本人の興味の比重通り、土人との交流や美しい景色などの描写が多いのが印象的。
 同じく陸軍でニューブリテン島へ行った祖父は、戦争については「食い物がなくて腹が減った。人間以外の物は何でも食った。」「大きな病気は戦地でのマラリアだけ。」としか語らないので、祖父もこのような地で様々な体験をしたのだろうかと追体験しているような気持ちで読んだ。